摂食行動のブレーキ
Nature Neuroscience
2014年7月28日
扁桃体という情動や摂食行動の調節に関与する脳領域に、食物の消費を抑制する一群のニューロンが存在することがマウスで確認された。今週のオンライン版に発表されるこの発見は、摂食に関わる疾患の治療に必要とされる可能性がある。
動物のエネルギー要求が強い状況では、さまざまな代謝信号が脳内に収束し、空腹感を引き起こす。視床下部という脳領域に存在するあるニューロ ン群は空腹信号に応答して活性が高くなり、食物消費を増加させる一連の行動を呼び起こす。ところが、食物摂取の休止や過食の阻止を調節する仕組みについては、ほとんど分かっていない。
David Andersonたちは、マウスでは扁桃体にあるニューロンの一部集団が、マウスの摂食またはキニーネ(食欲を抑制するとされる苦い物質)消費の後、いっそう活発に働くことを発見した。これらのニューロンはPKCデルタというタンパク質を発現させるという特徴を持つ。 Andersonたちは、これらニューロン集団の活性を人為的に増加させると摂食行動を妨げる一方、このニューロンを人為的に休止させると食物摂取が増加することを発見した。さらにAndersonたちは、このPKCデルタを発現しているニューロンが、食物の摂取や消費を抑制する薬剤によって活性化されることが分かっているいくつかの脳領域に接続するということも発見した。今回の研究は、これらニューロンが摂食行動の抑制を制御する系において中心となる位置を占めることを示唆している。
doi:10.1038/nn.3767
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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