Research Press Release

肺の微生物が喘息を防ぐ

Nature Medicine

2014年5月12日

出生直後のマウスの肺に微生物が定着することが、成体になってからの喘息の発生を防ぐとの報告が寄せられている。この発見は、生後早い段階での環境要因が、免疫系の適切な発生と成熟に影響を与えることを示している。

出生時には肺は無菌だが、そこに次第に微生物がすみついていく。この現象が、もっと後になってからの免疫細胞の発生や病気のかかりやすさに影響するかどうかは、解明されていない。

Benjamin J Marslandたちは、マウス新生仔を抗原に曝露すると肺の炎症などの気道疾患を発症しやすいのに、もっと後になると同じ抗原に対しても耐性になり、成体では病気を発症しない。2か月の間に肺には微生物がすみつき、それが、抗炎症作用を持ち気道疾患や喘息を抑制するある種の免疫細胞の発生を引き起こす。マウスを無菌条件下に置いて微生物の定着が起こらないようにすると、このマウスは抗原感受性になり、成体になってから気道疾患にかかる。この研究から、発生の初期には微生物の肺への定着に適した時期があって、この定着が免疫細胞の発生に影響を及ぼすことが明らかになり、ある種の微生物が新生児を守る役割をするという疫学データが裏付けられた。

doi:10.1038/nm.3568

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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