Research Press Release
タンパク質スプライシングの核心に切り込む
Nature Chemical Biology
2010年5月24日
タンパク質スプライシング(翻訳後タンパク質修飾の一種)の律速段階、およびその反応を引き起こす誘因が、Nature Chemical Biology(電子版)発表の論文で明らかにされる。
タンパク質スプライシングでは、インテインという短いタンパク質配列が元のタンパク質から自動的に切り出される。これまでの研究では、この過程の4つの段階が明らかにされているが、研究のために不活性化された変異タンパク質の利用を余儀なくされていた。
今回T Muirたちは、核磁気共鳴法に旧来の酵素的分析法を組み合わせ、活性を失っていない特別仕立てのタンパク質を分析した。これにより、一連の過程の中の第三の段階がタンパク質スプライシングの律速段階であることが明らかにされた。また、タンパク質構造の特定の配置がこの構造的変化を促進していることもわかった。今回の発見は、タンパク質スプライシングが起こりすぎたり偶発したりしない理由を明らかにする一助となる。
doi:10.1038/nchembio.371
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
神経科学:COVIDパンデミックが英国の成人の脳の老化を早めることに関連するNature Communications
-
社会科学:週4日勤務制が労働者のウェルビーイングを向上させるNature Human Behaviour
-
動物の行動:犬のテレビを視聴する習慣は性格によって異なるScientific Reports
-
疫学:欧州における鳥インフルエンザ発生の主な予測因子が特定されるScientific Reports
-
素粒子物理学:CERNで観測されたつかみどころのない物質と反物質の非対称性Nature
-
古生物学:獲物に忍び寄るための古代爬虫類の特殊なヒレNature