Research Press Release

カフェインが記憶強化を促進するかも?

Nature Neuroscience

2014年1月13日

一連の学習をした後の短い期間に錠剤量のカフェインを摂取すると、ヒトの記憶動作を促進する可能性があるとの研究が、今週のオンライン版に報告されている。

Daniel Borotaたちは、100名以上の被験者に絵に描いた物体を見せ、屋外で使う品か屋内のものかを問うた。それに返答して少し後に、被験者は 200 mgのカフェインと偽薬錠剤とのいずれかを受け取った。翌日再来した被験者は、前と同じ画像のいくつかを、新しい画像やよく似て見える新しい画像と無作為に混ぜて見せられた。そして、見た画像を「古い」「新しい」「元の画像に類似」の3種類に分類するよう言われた。偽薬錠剤グループもカフェイン錠剤グループも画像を正しく「新しい」か「古い」かに特定できたが、カフェインを摂取した被験者は「類似」の画像を元の画像と区別する正確さが優れていたのに対し、偽薬を受け取った被験者はこれら「類似」の画像を「古い」元の画像と誤って認識した。このような類似の画像を認識する際のカフェインに誘導される記憶動作の改善は、カフェインの少量摂取や、画像判定試験の1時間前での摂取では見られなかった。

doi:10.1038/nn.3623

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

「注目のハイライト」記事一覧へ戻る

プライバシーマーク制度