Research Press Release

古代火星の温室

Nature Geoscience

2013年11月25日

古代の火星は、大気中の温室効果ガスにより液体の水が表面を流れることができるほど十分温暖であった可能性があるという報告が、今週のオンライン版に掲載される。水の流れにより約40億年前に刻まれたと思われる、古代の地形に保存された網目状の峡谷の存在は、火星を液体の水が存在するには冷たすぎる状態にさせた若くて暗い太陽の存在とつじつまが合わなかった。

Jim Kastingたちは、気候モデルを用いて、水蒸気と二酸化炭素に加えて、温室効果ガスである水素分子を5%以上含んだ大気は、初期火星の表面温度を水の氷点より高くすることができたことを示した。これまで、気候モデルの研究は、二酸化炭素と水蒸気の温室効果だけでは惑星の温度を上昇させるには不十分であることを示していた。

Kastingたちは、大気中の水素分子濃度の上昇は活発な火山性脱ガスによりもたらされた可能性があると示唆している。

doi:10.1038/ngeo2000

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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