Research Press Release
熱帯降雨分布を支配する海洋の熱
Nature Geoscience
2013年10月21日
南洋から北半球へと熱を輸送する海洋逆転循環は、赤道のすぐ北側で起きる熱帯降雨のピークに大きく寄与しているという報告が、今週オンライン版に掲載される。この発見は、これまで示唆されているように温暖化で逆転循環の強度が減少すると熱帯の降雨パターンに変化が起きうることを示唆している。
Dargan Friersonらは、人工衛星観測、再解析データおよびモデルシミュレーションを用いて、熱帯降雨分布に対する海洋熱輸送の効果を評価した。彼らは、海洋逆転循環による北向きの熱輸送は赤道のすぐ北側にある熱帯降雨帯を押し上げることを見つけた。
関連するNews & Viewsの記事でJohn Fasulloは「この発見は熱帯降雨分布を支配する過程に対して見通しを与えている」と述べている。
doi:10.1038/ngeo1987
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:雌のボノボは団結し、雄に対して優位性を発揮するCommunications Biology
-
量子物理学:通信インフラを活用した長距離量子通信Nature
-
人類学:カルタゴとフェニキアの間に家族的なつながりはほとんどないNature
-
気候変動:温暖化が進む世界で急激な「気温の変化」が増えているNature Communications
-
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
気候:都市のヒートアイランド現象による気温関連死の評価Nature Climate Change