Research Press Release
危険に備えて切り換え
Nature Immunology
2013年10月14日
無害な細菌と有害な細菌とを見分けるという難問に、マウスの免疫系がどのように取り組んでいるかが明らかになった。
Stanimir IvanovとCraig Royは、病原性のレジオネラ菌(Legionella)と非病原性の変異レジオネラ菌に対するマウスの免疫応答に着目した。非病原性菌に感染した細胞では抗炎症性応答は起こらないが、病原性細菌の方は、mTORと呼ばれる重要な細胞分子を破壊することが分かった。このmTORの破壊がスイッチとなって、特定の炎症遺伝子が選択的にタンパク質へと翻訳され、防御免疫応答が開始する。この単純な切り換え機構のおかげで免疫系は、一方では、脅威にならない細菌を効率よく「無視」して不必要な炎症を避けながら、他方では必要な場合に備えて防御を強化できる。
doi:10.1038/ni.2740
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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