Research Press Release
ナノダイヤモンドで標識した幹細胞を追跡する
Nature Nanotechnology
2013年8月5日
マウス肺組織内の単一幹細胞の運命を追跡する方法が、今週のNature Nanotechnology電子版で報告されている。この方法を利用すれば、移植された幹細胞の受け入れを決定する因子や、ホスト内での再生能力に関する知見が得られるようになるかもしれない。
幹細胞治療を行うことによって、損傷組織が修復・再生される可能性がある。しかし、移植した細胞は、拒絶されたり、移動したり、死んでしまう恐れがある。生体内で幹細胞を追跡できれば、ホストに幹細胞を移植すると何が起こるのか、理解を深めるのに役立つであろう。
今回、Huan-Cheng Changらは、肺幹細胞を蛍光ナノダイヤモンドで標識し、肺損傷マウスに移植した。その結果、損傷した肺細胞が急速に修復されるばかりでなく、幹細胞の取り込みと再生を単一細胞レベルの分解能で追跡できることを見いだした。この手法を利用すれば、将来、異なる種類の幹細胞(例えば骨髄幹細胞など)の取り込みもモニタリングできるようになるかもしれない、とChangらは示唆している。
doi:10.1038/nnano.2013.147
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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