Research Press Release
白亜紀の寒冷化と生物学的危機
Nature Geoscience
2013年6月17日
1億1600万~1億1400万年前の海洋生物大変動期は200万年間の寒冷期によって生じたという報告が、オンライン版に掲載される。この研究は、寒冷期は生物起源炭素が広範に埋設され、大気中の二酸化炭素濃度が減少したことで起きたと示唆している。
Thomas Wagnerらは、北大西洋で採取された海洋堆積物の化学組成を分析し1億1600万~1億1400万年前に起きた主要な海洋表層の寒冷化事件の大きさと時期を評価した。彼らは、この寒冷期が海洋プランクトン群集で存在度が低下したものがあることと、表層に生息する微生物のある種類が絶滅したことと一致することを示した。数値シミュレーションは、寒冷化はこの時期に800,000ギガトン以上の炭素が主に大西洋、南洋およびテチス海に埋設されたことと関連があると示唆している。
doi:10.1038/ngeo1850
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
古生物学:アンモライト宝石が鮮やかな色を得る仕組みScientific Reports
-
古生物学:小さなティラノサウルスの謎Nature
-
生物学:新しい抗毒素が蛇咬傷から守るNature
-
気候変動:南極の棚氷が海洋温暖化によって脅威にさらされているNature
-
細胞生物学:ホッキョククジラの長寿の謎が解明されるNature
-
惑星科学:圧力下で水の世界が形成されるかもしれないNature
