Research Press Release
【神経科学】ショウジョウバエのモーションキャプチャ
Nature Communications
2013年5月29日
ショウジョウバエの行動を追跡し、自動的に分類する方法が新たに開発された。そして、この方法を用いた測定により、個々のショウジョウバエが、他のショウジョウバエと異なる特異な運動パターンを示し、そのパターンが、数日間安定していることが明らかになった。
今回、Benjamin de Bivortの研究チームが開発したツールは、デジタルアニメに用いられるモーションキャプチャ技術と同じように作動する。ショウジョウバエの6本の脚それぞれに異なる蛍光色素のスポットが塗られ、ショウジョウバエが球体上を歩き回る間、このスポットにレーザーが照射された。そして、コンピュータープログラムによって、このスポットの位置からショウジョウバエの行動がリアルタイムで分類された。
将来的には、このシステムをショウジョウバエの脳の個々のニューロンの活動を監視するための既存の方法と組み合わせられるようになり、特定の行動を引き起こすニューロンネットワークを解明するための研究を強化できると考えられる。
doi:10.1038/ncomms2908
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:雌のボノボは団結し、雄に対して優位性を発揮するCommunications Biology
-
量子物理学:通信インフラを活用した長距離量子通信Nature
-
人類学:カルタゴとフェニキアの間に家族的なつながりはほとんどないNature
-
気候変動:温暖化が進む世界で急激な「気温の変化」が増えているNature Communications
-
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
気候:都市のヒートアイランド現象による気温関連死の評価Nature Climate Change