Research Press Release
【ナノテクノロジー】持続可能な水質浄化
Nature Communications
2013年5月15日
水質浄化システムに用いられた銀ナノ粒子を使用後に回収する方法が開発された。この方法では、銀ナノ粒子構造体に磁気を帯びさせ、磁石を用いて数分以内に回収できるようにするのだ。
銀ナノ粒子は、浄水処理に用いる抗菌剤として有望視されているが、浄水処理後の銀ナノ粒子の回収に問題があるため、その普及が進んでいなかった。今回、Shan Wangたちが作製した銀ナノ粒子構造体には、磁気層も含まれている。この磁気層の作製では、銀ナノ粒子自体に磁性をもたせないので、粒子どうしがくっついてひとまとまりになることはない。その一方で、永久磁石を使って、構造体を磁化することができ、そのため、お互いにくっついて、水から取り除くことができるのだ。
このシステムの初期検証では、抗菌性の点で有望なことが判明したほか、使用後の除去率も良好で、ナノ粒子の99%が5分以内に回収された。
doi:10.1038/ncomms2892
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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