Research Press Release
人工肺をつくる
Nature Medicine
2010年7月14日

最終的には移植に使える可能性のある人工肺の作製の報告が寄せられている。移植可能な肺組織片の作製の原理証明であり、これが将来、肺の疾患の治療法につながる可能性がある。
終末期肺疾患患者は、世界で5000万人にも上る。こういった患者の多くに肺移植が役立つ可能性はあるが、臓器不足が制約になっている。H Ott たちは、無細胞肺マトリックスから出発してラットに移植可能な肺を作製する方法を開発した。Ott たちは、ラットの肺からうまく細胞を取り除き、肺の構造的な性質を維持したままのマトリックスを得た。次にこの骨組みに、別の型の肺細胞を「植え付け」て細胞を増殖させた。するとこのマトリックスは肺の機能を示し、ラットに移植することもでき、移植後も最長6時間機能した。
doi:10.1038/nm.2193
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:雌のボノボは団結し、雄に対して優位性を発揮するCommunications Biology
-
量子物理学:通信インフラを活用した長距離量子通信Nature
-
人類学:カルタゴとフェニキアの間に家族的なつながりはほとんどないNature
-
気候変動:温暖化が進む世界で急激な「気温の変化」が増えているNature Communications
-
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
気候:都市のヒートアイランド現象による気温関連死の評価Nature Climate Change