Research Press Release
三次元空間内の細胞の牽引力を測定する
Nature Methods
2010年11月15日
細胞が三次元空間を移動するときに使う力を測定する方法が、Nature Methods(電子版)で発表される。
移動する細胞は、周囲の素材と絶えず接触しており、突起を伸ばして移動のための力を加える。そうした動きは発生中の組織形成に不可欠であるが、がんの転移にも寄与している。細胞が生み出す力は生物学的に極めて重要であるが、三次元空間でそれを測定することは極めて困難である。
C Chenたちは、ヒドロゲル素材に封入された細胞の牽引力を測定する定量的な方法を紹介している。細胞はこの素材の中を移動し、その過程でヒドロゲルに埋め込まれた蛍光ビーズを動かした。研究チームは、蛍光ビーズの動きを利用して細胞のさまざまな部分が使った力を計算し、移動する細胞の先端がどのように進むのかについての洞察を得た。
さらに、この方法をさまざまな種類の細胞に応用してその汎用性を評価し、これが各種生物学的状況下での細胞移動の役割および調節に関する理解を深めるのに役立つと予想している。
doi:10.1038/nmeth.1531
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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