Research Press Release
火星に微生物が存在する環境が?
Nature Geoscience
2010年11月1日
火星のシルティス・メジャー火山複合体にある水和したシリカ堆積物は、比較的最近生物が存在できる環境があったことを示唆している。堆積物の形状と火山火口の周囲にある位置は、熱水システムがその起源であることを指し示しており、生物のすみかとなりその残骸を保持している可能性がある。
J Skokらは、火星画像小型分光計(CRISM)で得られたデータを解析した。彼らは火星では、比較的年代の若い火山の特徴をもつ、ニリパテラ火口の近くで水和したシリカと一致する分光学的兆候を検出した。研究者は、データは最近存在した熱水システムを示唆していると解釈している。地球では、シリカを形成する熱水環境は微生物の化石を保持している可能性が極めて高いと考えられている。
doi:10.1038/ngeo990
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
がん:膵臓がんまたは大腸がんの患者において有望な効果を示すワクチンNature Medicine
-
生態学:熱波が熱帯の鳥類の個体数減少と関連しているNature Ecology & Evolution
-
気候変動:ペリト・モレノ氷河の後退が最近大幅に加速Communications Earth & Environment
-
考古学:スペインの洞窟で新石器時代の人肉食の証拠が発見されるScientific Reports
-
気候変動:鉱物資源の不足が低炭素化移行を制限する可能性Nature Climate Change
-
人類の進化:スラウェシ島における初期ホミニンの居住Nature