Research Press Release

【古生物学】小柄な恐竜の大きな多様性

Nature Communications

2013年5月8日

このほど、くちばしのある小型恐竜の新種が発見された。今回の発見は、化石記録において、一部の小型恐竜の分類群の多様性が大いに過小評価されている可能性を示唆している。

今回、David Evansたちは、化石記録に基づいて、堅頭竜類Acrotholus audetiの新種について説明している。Evansたちは、16の絶滅種と50の形態的形質を用いて、堅頭竜類の系統樹を再構築した。今回の結果は、化石記録が豊かに存在する時代についても、堅頭竜類の多様性が大いに過小評価されていたことを示している。また、堅頭竜類の多様性は、他の小型恐竜の分類群よりもかなり大きいと考えられている。

小型恐竜は、その骨が肉食動物によって容易に破壊され、あるいは、風化過程や動物や植物による土壌と堆積物の再形成を通じて分解されるため、化石化して保存される可能性が他の恐竜類より低くなっている。したがって、小型恐竜の分類群における多様性の全容を調査することは難しい。Evansたちは、小型恐竜の高い多様性の発見によって、中生代における恐竜の多様性動態、そして、白亜紀末期の絶滅までの種の豊かさのパターンに関する理解が大きく変わると考えている。

doi:10.1038/ncomms2749

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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