Research Press Release

サヘル地域の降水量に対するエアロゾルの影響

Nature Climate Change

2013年4月1日

成層圏中の微粒子の濃度が、サヘル地域の干ばつの発生と厳しさに影響を及ぼすことが明らかになった。このほど、1900~2010年の観測結果の解析が行われ、最も降水量の少なかった4回の夏のうちの3回において、北半球で相当な規模の火山噴火が事前に起こっていたことがわかったのだ。

今回、Jim Haywoodたちは、この知識を用いて、間欠的な火山噴火とジオエンジニアリング(地球工学)を模倣した成層圏への粒子の連続注入のモデル研究を行い、北半球でのエアロゾル負荷が非常に大きいことが、サヘル地域の干ばつの前兆であり、南半球でのエアロゾル負荷が、降水量と緑化を増加させることを明らかにした。

この新知見では、今後のエアロゾル地球工学プロジェクトのグローバルガバナンスに関するコンセンサスを形成するための前提条件となる影響可能性評価を行うには、さらなる研究が必要なことが示唆されている。

doi:10.1038/nclimate1857

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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