Research Press Release
恐怖を学習
Nature Neuroscience
2013年2月25日
恐ろしい出来事が恐怖の記憶として持続するようになるときには、脳の活動がそれを知らせてくれると報告している研究が、今週のオンライン版に掲載される。恐怖の記憶が強められ維持される過程は、外傷後ストレス障害(PTSD)のような不安な状態を悪くするかもしれない。この研究は、その仕組みを理解する基礎となる可能性がある。
Merel Kindtほかの研究者は、恐ろしい体験をしている間の脳活動パターンを観察すると、将来の恐怖記憶を予知できると報告している。磁気共鳴画像法により脳を観察しながら、被験者に顔や家の写真を見てもらった。そのいくつかでは、わずかな電気刺激を伴わせた。数週間後、研究室を再訪した被験者について、以前に見せた写真に対する恐怖の応答をKindtらは測定した。その報告によると、後者の恐怖記憶は被験者が電気刺激とともに見せられた写真を見たとき、脳の活動パターンに強く似たところがあった。写真の題材が顔か家かは関係していなかった。強い恐怖反応を示した人は弱い反応を示した人に比べ、最初の実験において電気刺激を伴っていた異なる画像に対する応答において、きわめて強い類似を示した。
doi:10.1038/nn.3345
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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