Research Press Release
材料:自然界から発想を得た超弾性グラフェン
Nature Communications
2012年12月5日
三次元グラフェンネットワークを作製する方法について報告する論文が、今週、掲載される。このグラフェン「モノリス」は、密度がきわめて低く、弾性が非常に大きく、復元速度がきわめて高く、電気伝導率も良好なため、グラフェンを用いた新しいタイプのフレキシブル(柔軟)なデバイスへの道が開けるかもしれない。
グラフェンを機能材料として開発するためには、単層シートのユニークな特性を保持しつつ、複数のシートの組立てができることが必要とされる。今回、D Liたちは、グラフェンの化学的性質と氷の物理的性質を組み合わせて、グラフェンモノリスを凍結鋳造した。このグラフェンモノリスの構造は、自然に存在するコルクに似ている。この新材料は、自重の50,000倍以上の重さを支えることができ、80%の圧縮からも復元できる。
Liたちは、この新材料の孔に機能材料を組み込むことができると考えており、グラフェンを用いた新しいナノ複合材の作製の大いなる可能性を示している。
doi:10.1038/ncomms2251
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
生体力学:昆虫の翅のヒンジは筋肉によって制御されているNature
-
気候変動:気候変動に伴う経済的コストNature
-
生物学:闘争・逃走系の起源Nature
-
材料:接着剤が海洋性軟体動物種の追跡に役立つNature Communications
-
気候変動:海洋での致死的な極端低温事象の強度と頻度が高まっているNature Climate Change
-
医学研究:一部の患者では、抗体がパーキンソン病の運動機能症状の進行を遅らせる可能性があるNature Medicine