Research Press Release
プランクトンに対する海洋温度の影響
Nature Climate Change
2012年12月3日
北大西洋の石灰化プランクトンにとって、気候による脅威の主たるものが海洋の温度であることが明らかになった。この研究では、海洋の酸性化が将来的に深刻な脅威となる可能性があるものの、1960~2009年に関しては、変化を引き起こした主たる要因が海洋温度であることが示唆されている。この研究について報告する論文がオンライン版に掲載される。
今回、G Beaugrandたちは、北大西洋での海洋石灰化生物の多様性に対する海洋の酸性化と温度変化の影響を調べた。Beaugrandたちは、生物学的データと物理的パラメーターを解析することによって、1996年頃のプランクトン群集が突然変化し、これが大幅な温度上昇に対応したものであることを明らかにした。また、Beaugrandたちは、一部のプランクトンが極方向へ移動し、このことが、海洋温暖化によって予想される生物地理学的変化と一致していることを明らかにした。
doi:10.1038/nclimate1753
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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