Research Press Release

アルプスの湖での津波による破壊

Nature Geoscience

2012年10月29日

西暦563年にレマン湖で起きた大規模な津波は、アルプス山脈の落石事件と関連があり、湖周辺でかなりの破壊をもたらしたと、今週号のNature Geoscience(オンライン版)に発表された通信が報告している。著者たち等は、レマン湖岸の人口密度が高い地域(潜在的には他の湖でも)は将来の津波で危険にさらされる可能性があると示唆している。

Katrina Kremer等はレマン湖の最深部を探査し、地震波反射断面と堆積物コアを採取した。彼らは、明瞭なレンズ状の堆積物層を同定し、西暦563年に起きたという記述がある落石事件と時期が関連していることを示した。落石は、ジュネーブから70キロメートル離れたローヌ川三角州近傍の山で起きた。研究者等は、落石は三角州の一部を崩壊させ、津波の引き金となったことを示唆している。数値シミュレーションによると、高さ8メートルの津波が落石発生後70分でジュネーブに達したとのことである。

doi:10.1038/ngeo1618

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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