Research Press Release
【古生物学】マンモス絶滅の軌跡
Nature Communications
2012年6月13日
放射性炭素年代測定によってマンモス絶滅の時空間的パターンを調べる研究が行われた。その結果、45,000〜30,000年前にベーリンジアに大量に生息していたマンモスが、気候の変化、生息地の変化とヒトの存在による長期的な個体数減少を経て、最後まで島部に生息していた個体群が約4,000年前に絶滅したことが明らかになった。この結果を報告する論文は、今週、Nature Communicationsに掲載される。
今回、G MacDonaldたちは、地域別の放射性炭素測定年代データベースを用いて、ベーリンジア(現在のアラスカからシベリア東部にまたがる地域でマンモスの最後の生息地となった)における絶滅パターンを調べた。その結果、45,000〜30,000年前の最終氷期に、マンモスがベーリンジアの広大な大地に大量生息していたことがわかった。大陸のマンモスは、最後には北部に集中して生息していたが、気候が温暖化し、泥炭地、湿潤ツンドラと針葉樹林が発生した約10,000年前に消滅した。そして、最後まで島部に生息していた集団は、約4,000年前に絶滅したこともわかった。MacDonaldたちは、マンモス絶滅が、複数の原因によっている可能性が非常に高く、気候、生息地の変化とヒトの存在による長期的減少の結果だったと結論づけている。
doi:10.1038/ncomms1881
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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