Research Press Release

不透明物質を通して見る

Nature Photonics

2012年7月17日

不透明物質を通して、また散乱の強い光拡散体の周りでリアルタイムに画像化できる手法が、今週のNature Photonics電子版に報告されている。この研究成果は、地上での天体観測や深部組織撮像といった、散乱や高密度物質によって画像化が妨害される用途に役立つかもしれない。

Yaron Silberbergらは、波面整形に基づく方式を実証している。空間光変調器を用いて目的の場所に再び焦点が合うよう散乱光の位相を整形するのである。単一波面パターンが散乱を逆にする角度範囲を利用して、単一過程で広視野リアルタイム画像化が実現できる。

これまでの波面整形方法と異なり、Silberbergらの手法はコヒーレント光源、干渉計による検出、ラスター走査、コンピューターによるオフラインでの再構成が不要である。また、白色光を用いたリアルタイム画像化が可能なので、実用化に有利である。

doi:10.1038/nphoton.2012.150

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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