Research Press Release
【地質学】ダイヤモンド産出に関係する火山性粒子の形成機序
Nature Communications
2012年5月16日
キンバーライトとは、地球のマントルから噴出するマグマで、揮発性物質に富み、ダイヤモンドの産出と結びついている。このキンバーライトの火道で生じる均整のとれた破片の形成機序について報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。今回の研究結果は、火山噴火の動態に関する手がかりとなるかもしれない。
キンバーライトは、ダイヤモンドの産出とかかわっているため、経済的に重要だ。キンバーライトマグマによって形成される火道は激しい爆発的噴火の場であり、この中にはペレット状の火山礫粒子がつまっている。今回、T Gernonたちは、南アフリカとレソトにある世界最大級の2つのダイヤモンド鉱山を調べ、このペレット状火山礫の形成に関して、流体キンバーライトマグマが火道の根元に近い部分に存在する初期火山砕屑岩に侵入するとペレット状火山礫が形成するという仮説を樹立した。Gernonたちは、他の火山岩に含まれるペレット状火山礫の起源もこれに似ていると考えている。
doi:10.1038/ncomms1842
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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