Research Press Release
予想外の炭素吸収源
Nature Geoscience
2012年6月4日
地衣類、菌類および藻類のような生物の活動は、大気中の窒素をほとんどの植物が利用できる化学物質の形態へ陸上で変換する量のほぼ半分を説明できると、今週号のNature Geoscience onlineに発表された研究が報告している。生物が利用できる窒素は植物成長を阻害することがあるので、この過程は植物による炭素封鎖にとってはきわめて重要となり得る。
Ulrich Poeschl等は、地衣類、菌類および藻類のような太陽光の助けにより無機物から自信の食物を合成する生物の空間分布について公表されたデータを再解析した。生態系の範囲内における炭素と窒素流量に関するデータ解析に基づいて、彼らはこれらの生物が、窒素循環に対する役割に加えて、陸上の植生における一次生産の約7%に寄与していると見積もっている。
doi:10.1038/ngeo1486
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
化石:最も古く知られている「爬虫類」の足跡Nature
-
惑星科学:月内部の非対称性を示す証拠Nature
-
古生物学:「シカゴ」始祖鳥が、この古代鳥に新たな知見をもたらすNature
-
理論物理学:二体問題を解くNature
-
がん:乳がん治療薬の臨床試験で生存率の向上が示されたものの、がんの消失は限定的であったNature Communications
-
Nature Scientist at Work コンペティションの受賞者の発表Nature