Research Press Release
2050年までに最大3度の気候温暖化
Nature Geoscience
2012年3月26日
2050年までの気候温暖化は、中規模で削減のない温室効果ガス排出シナリオでは1.4から3℃になるだろうと、今週号のNature Geoscience onlineに発表された研究が報告している。この値の幅は、おおむね気候変動に関する政府間パネルの専門家による評価と一致するが、観測された温度変化と一致する数千の異なった気候モデルシミュレーションに基づいたものである。
Daniel Rowlands等は、気候モデルの大集団からなる過去と現在の気候変動シミュレーションを、を過去50年にわたる地域的な温度変化を一致させるという手法により選別した。過去の温暖化を現実的にシミュレーションできるモデルが将来の温暖化予測に対しても最適な候補となり得るという仮定に基づいて、著者等は2050年までの気候温暖化は1960-1990年の平均と比べて3℃上昇すると結論しており、気候温暖化の「予想される幅」に対して上限を与えている。
関連するNews and Viewsの記事で、Issac HeldはRowlands等の「摂動を与えた大量の物理モデル集合は、将来の気候変動の解析をする上で有効な資源となる」と述べている。
doi:10.1038/ngeo1430
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
化石:最も古く知られている「爬虫類」の足跡Nature
-
惑星科学:月内部の非対称性を示す証拠Nature
-
古生物学:「シカゴ」始祖鳥が、この古代鳥に新たな知見をもたらすNature
-
理論物理学:二体問題を解くNature
-
がん:乳がん治療薬の臨床試験で生存率の向上が示されたものの、がんの消失は限定的であったNature Communications
-
Nature Scientist at Work コンペティションの受賞者の発表Nature