Research Press Release
【グラフェン】歯に貼り付ける細菌センサー
Nature Communications
2012年3月28日
グラフェンを用いた小型センサーが開発され、これを用いて細菌の検出ができることを報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。今回の研究成果で、さまざまな生体組織上で感染因子のモニタリングを行う新たな可能性が開けるかもしれない。
グラフェンには、独特な物理的特性がいろいろとあり、さまざまな応用が有望視されている。今回、M McAlpineたちは、こうした特性を利用して、細菌を個別に検出できる生物探知器を作製した。McAlpineたちは、グラフェンを絹の薄膜上に転写して作った生物探知器を歯のエナメル質など、さまざまな生体材料上に移し、生化学的標的を検出するための高感度のプラットフォームを構築した。
このグラフェンを用いた生物探知器は、弾性に優れているため、より軟質な生体材料上に組み込むことが可能となっている。この事実は、今後の細菌モニタリング法にとって重要な意味を持っている可能性がある。
doi:10.1038/ncomms1767
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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