曲がり角の向こう側に隠された物体の姿をとらえる
Nature Communications
2012年3月21日
視界から隠された物体の三次元画像を見るための新技術が、今週、Nature Communicationsで発表される。これは、立ち入ることの難しい場所や立ち入ることの危険な場所でのセンシング技術として有用かもしれない。 飛行時間画像化は、画像化用レーザーの視線内にある物体の距離情報を得るために用いられる。もし表面上で鏡のように反射される光があれば、例えば、曲がり角の向こう側に隠して視線の外に置いた物体も見えるようになる。これに対して、光が表面上で壁のように拡散反射すると、視覚情報は失われる。今回、R Raskarたちは、超高速パルスレーザーと時間分解ストリークカメラを用いて、拡散反射した光パルスに残っている情報を復号することで、この問題を解決した。この研究では、壁に向かってレーザーパルスを発射し、それが壁に反射して隠されている物体に到達するようにした。壁で拡散反射した光の一部は、この物体に到達し、この物体に反射された光が壁に戻り、壁で再び拡散反射されて、光の一部がストリークカメラに到達した。そして、Raskarたちは、拡散反射した光が戻ってくるまでの時間を観測し、壁の上でレーザー光が当たる場所を変えることで、隠された物体の形状を再現した。また、時間分解ストリークカメラを用いることで奥行き情報も得られるため、Raskarたちは、この物体の完全な三次元形状をとらえることができた。今回用いられた機器は、ミリメートル未満の奥行き精度とセンチメートルの方位分解能を実現した。
doi:10.1038/ncomms1747
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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