Research Press Release
南洋の循環
Nature Geoscience
2012年2月27日
南洋において深層水が風によって上昇することは、全球海洋循環において北大西洋における沈み込みが重要と考えられていたのと同様に重要な役割を果たしていると、今週号のNature Geoscience onlineに発表された概説論文が報告している。概説は、海洋がもつ熱と炭素を保存できる能力を考えると、南洋の上昇流は気候システムの中心的位置づけとなると示唆している。 John MarshallとKevin Speerは、過去数十年に得られた定量的及び定性的洞察に基づいて、全球海洋循環のコンベヤベルト描像を再検討し更新した。更新された描像は、海洋と大気の間の二酸化炭素と熱の交換という役割を通して気候システムの重要な要素なることが分かってきた南洋の上昇流を支配する上で、風と渦として知られる海流の小規模回転の重要性を強調している。
doi:10.1038/ngeo1391
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
がん:膵臓がんまたは大腸がんの患者において有望な効果を示すワクチンNature Medicine
-
生態学:熱波が熱帯の鳥類の個体数減少と関連しているNature Ecology & Evolution
-
気候変動:ペリト・モレノ氷河の後退が最近大幅に加速Communications Earth & Environment
-
考古学:スペインの洞窟で新石器時代の人肉食の証拠が発見されるScientific Reports
-
気候変動:鉱物資源の不足が低炭素化移行を制限する可能性Nature Climate Change
-
人類の進化:スラウェシ島における初期ホミニンの居住Nature