Research Press Release
ゴールデンレトリバーとヒトの皮膚疾患に共通する遺伝的基盤
Nature Genetics
2012年1月16日
ゴールデンレトリバー犬とヒトの希少な皮膚疾患の1つに関して、両者に共通する遺伝的基盤が明らかになった。この研究成果を報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。 これは、先天性魚鱗癬という疾患で、生後間もない頃から皮膚の落屑が全身で起こる。今回、C Andre、J Fischerたちの研究チームは、ゴールデンレトリバー集団のユニークな繁殖記録を利用して、先天性魚鱗癬の原因となる遺伝的異常を同定した。そして、これに類似した皮膚疾患を持つヒト被験者集団を対象として、この皮膚疾患の関連遺伝子であるPNPLA1の解析を行い、2家系の6人のPNPLA1遺伝子にそれぞれ2つの変異があることを明らかにした。 PNPLA1遺伝子は、皮膚の表皮層で発現し、皮膚のバリア機能を維持するために重要だと考えられている。そして、PNPLA1は、細胞の外膜を構成する脂質を含む一連の脂質の構造を修飾するタンパク質のファミリーに属している。
doi:10.1038/ng.1056
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
古生物学:アンモライト宝石が鮮やかな色を得る仕組みScientific Reports
-
古生物学:小さなティラノサウルスの謎Nature
-
生物学:新しい抗毒素が蛇咬傷から守るNature
-
気候変動:南極の棚氷が海洋温暖化によって脅威にさらされているNature
-
細胞生物学:ホッキョククジラの長寿の謎が解明されるNature
-
惑星科学:圧力下で水の世界が形成されるかもしれないNature
