Research Press Release
細胞を外から調べる
Nature Nanotechnology
2011年12月19日
ケイ素ナノワイヤーと二酸化ケイ素ナノチューブを組み合わせることによって細胞内部の電気的活動を測定できることが、Nature Nanotechnology(電子版)に報告される。 C Lieberらは、ナノチューブとナノワイヤーをつなげてT字型の構造体を作製した。中空のナノチューブを細胞膜に突き刺すことによって、細胞内部の液体(サイトゾル)とナノワイヤーとを接触させることができる。ナノワイヤーに電圧を印加すると、ナノワイヤーは電界効果トランジスター(FET)として動作するので、細胞内の電気シグナルを検出できる。 Lieberらは、この細胞内分岐ナノチューブFET(branched intracellular nanotube-FET:BIT-FET)と呼ばれるデバイスを用いて、ニワトリ胚心筋細胞の細胞内シグナルを記録した。現在細胞内電気シグナルの測定に使用されているマイクロピペットやマイクロ電極と比較すると、BIT-FETは、現時点ではシグナル対ノイズ比が劣っているものの、大幅な小型化が可能である。
doi:10.1038/nnano.2011.223
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
古生物学:アンモライト宝石が鮮やかな色を得る仕組みScientific Reports
-
古生物学:小さなティラノサウルスの謎Nature
-
生物学:新しい抗毒素が蛇咬傷から守るNature
-
気候変動:南極の棚氷が海洋温暖化によって脅威にさらされているNature
-
細胞生物学:ホッキョククジラの長寿の謎が解明されるNature
-
惑星科学:圧力下で水の世界が形成されるかもしれないNature
