Research Press Release
いちばん気に入った鳴き声の雄ガエルの居場所を見つける能力
Nature Communications
2011年8月3日
雌のトゥンガラガエルは、ヒトと同じように、類似した聴覚信号を同じグループに分類する方法を用いて、その発生源を正しく突き止める能力があることが明らかになった。この能力は、熱帯や亜熱帯の雨林の林床に生息する繁殖期の雄のトゥンガラガエルの鳴き声の「合唱」を聞いて、交尾相手の居場所を特定するために役立っている。研究の詳細は、今週、Nature Communicationsに掲載される論文に示されている。
雄のトゥンガラガエルは、「chuck(カカッという音)」と「whine(トゥーンという音)」が複雑に組み合わさったパターンで鳴く。そのため、雌のトゥンガラガエルが数多くの鳴き声の中からお目当ての雄がいる場所を正確に突き止めるのは難題だ。今回、H FarrisとM Ryanは、雌のトゥンガラガエルが、さまざまな鳴き声を分類して、鳴き声の変数の差が相対的に小さいものを同じグループに分類することを明らかにした。これは、ヒトが用いることの多い方法でもある。
doi:10.1038/ncomms1417
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:雌のボノボは団結し、雄に対して優位性を発揮するCommunications Biology
-
量子物理学:通信インフラを活用した長距離量子通信Nature
-
人類学:カルタゴとフェニキアの間に家族的なつながりはほとんどないNature
-
気候変動:温暖化が進む世界で急激な「気温の変化」が増えているNature Communications
-
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
気候:都市のヒートアイランド現象による気温関連死の評価Nature Climate Change