Research Press Release
心臓に金ナノワイヤーを
Nature Nanotechnology
2011年9月26日
損傷した心臓組織の治療に心臓パッチが使用される。Nature Nanotechnologyに報告される研究によると、パッチの作製に用いられる足場に金ナノワイヤーを加えることによって、足場の導電性と収縮性を高めることができる。
現在の心臓パッチは、三次元足場に心臓細胞を播種することによって作製されている。一般的に、足場は、ポリ乳酸などの合成高分子や、アルギン酸塩などの生体高分子でできている。残念なことに、これらの材料は導電性が低いため、パッチが単一体として強く収縮することができない。D Kohaneらは、アルギン酸塩足場に金ナノワイヤーを組み込むことにより、この複合足場上で増殖した心臓細胞が電気刺激に対していっせいに応答できるようになることを実証している。さらに、この足場上で増殖した組織は、金ナノワイヤーを含まないアルギン酸塩足場上で増殖したものよりも、厚く、きれいに整列している。
このような培養組織が体内で生体適合性を示すかどうかを確認するために、動物を使った研究が必要であると、著者は述べている。
doi:10.1038/nnano.2011.160
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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