Research Press Release
胚性幹細胞と人工多能性幹細胞のプロテオーム
Nature Methods
2011年9月12日
胚性幹細胞と人工多能性幹細胞が持っているタンパク質群を比較分析した結果が、Nature Methods(電子版)で発表される。タンパク質発現に見いだされた差はわずかであったが、その知見は、この2つの細胞がさまざまな種類の細胞に分化する能力の差を説明するのに役立つ可能性がある。
胚性幹細胞(ESC)と同様に、人工多能性幹細胞(iPSC)も、人体の中のあらゆる種類の細胞を作り出すことができる。しかし、iPSCは成人の組織から作製することができ、ESCの研究利用および医学的利用にまつわる倫理的な問題を回避することができる。ただし、iPSCが生物学的にESCと等価なものであるのかどうかは、未解決の問題である。
J Coonたちは、高分解能の質量分析法に基づくプロテオミクス解析を行い、ヒトの4系統のESCと4系統のiPSCのタンパク質群を評価した。反復解析の結果、ESCとiPSCとの間には、タンパク質の発現に関して、小さいながらも再現性のある差が見いだされた。その結果は、iPSCが材料の分化細胞の特徴の一部を保持しているため、特定種類の細胞を生ずる方向に偏向している可能性があることを示唆している。
その研究データは、幹細胞-オミクス・リポジトリー(SCOR)と呼ばれる新しいリソースから自由に利用することができるようになっている。
doi:10.1038/nmeth.1699
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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