考古学:空中イメージングによってアマゾンの文明の規模が明らかに
Nature
2026年7月30日
空中イメージングにより、アマゾン南西部の地表に土塁(earthworks)と呼ばれる432のパターンが検出されたことを報告する論文が、Nature にオープンアクセスで掲載される。この発見は、かつてアマゾン南西部の古代アキリー(Aquiry)文明が居住していた地域で行われたもので、この地域には2万4000~3万の土塁が存在する可能性がある。この発見は、アマゾンの土塁の真の規模や、それらを築いた共同体について、新たな見解を示す一助となるかもしれない。
古代アキリー文明が残したアマゾンのジオグリフ(Amazonian geoglyphs)として知られる、幾何学的な形状をした大規模な堀で囲まれた構造物は、儀式、政治、および公共の集会の中心地として機能していたと考えられている。これらの構造物のほとんどは、単独で存在し、堀と土手から構成されており、その大きさは0.35~14ヘクタールである。既知のジオグリフの中で最大規模のものは、50ヘクタール近くを占めている。これまでアマゾン全域における土塁の数を推定する試みは、森林伐採された地域(考古学的遺構が比較的容易に検出できる場所)で発見された遺跡にもとづいていたため、その範囲は限定的だった。LiDAR(light detection and ranging;光検出および測距)と呼ばれる航空測量手法を用いれば、密林の樹冠の下に隠された構造物を明らかにすることができる。
Martti Pärssinenら(ヘルシンキ大学〔フィンランド〕)は、ブラジルのリオ・ブランコ(Rio Branco)、ラブレア(Lábrea)、ボカ・ド・アクレ(Boca do Acre)、およびカラウアリ(Carauari)の各都市周辺を含む、アマゾン南西部の4497平方キロメートルの地域でLiDAR調査を実施した。そのデータセットから432の土塁が確認され、そのうち396はこれまで記録されていなかった。これらの結果を推計し、既存の衛星調査結果と組み合わせることで、著者らは、約18万3000平方キロメートルにおよぶアキリー地域には、2万4000~3万の土塁が存在する可能性があると示唆している。さらに、著者らは、アキリー文明が西暦100年から300年の最盛期に約125万~300万人の人口を支えていたと推定しており、これは同文明がアマゾンの土壌、森林構造、および生物多様性に、従来考えられていた以上に大きな影響を残したことを示唆している。
アキリー文明が占めていた面積は、大アマゾン地域の3%未満に過ぎないものの、この地域には、アマゾン盆地全体についてこれまで予測されていたよりも多くの土塁が存在する可能性がある。著者らは、同様の土塁が集中する地域がほかにも存在する場合、植民地化以前の人口推計およびそれらが地域に与えた影響について再評価を行うべきであると結論づけている。
- Article
- Open access
- Published: 29 July 2026
Pärssinen, M., Kalliola, R., Ranzi, A. et al. Over 20,000 precolonial earthworks in the Southwest Amazonia. Nature (2026). https://doi.org/10.1038/s41586-026-10835-7
Research Briefings: Amazonian earthwork survey indicates ancient population was much larger than thought
https://www.nature.com/articles/d41586-026-02321-x
Nature Podcast: Earthworks spotted in the Amazon hint at huge ancient civilization
https://www.nature.com/articles/d41586-026-02367-x
doi:10.1038/s41586-026-10835-7
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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