ロボット工学:便利な手を持つロボットは這い回り、物を拾い上げることができる
Nature Communications
2026年1月21日
這い回って物体をつかむことができる着脱式ロボットハンドを報告する論文が、今週のオープンアクセスジャーナルNature Communications に掲載される。この設計により、通常は手の届かない場所からの物体の回収や複数物体の取り扱いといった作業が可能となり、産業用、サービス用、および探査用ロボットへの応用が期待される。
ロボットハンドは、高い器用さを有するとされる人間の手を模倣するよう設計されることが多い。しかし、人の手は高度な器用さを持つが、その非対称性(片側からしか物をつかむことができない)および限られたリーチのため、複数の物体を同時につかむ場合や狭い空間へのアクセスなど、特定の作業において能力を制限されることがある。
Xiao Gaoら(EPFL;スイス連邦工科大学ローザンヌ校〔スイス〕)は、二種類のロボットハンドを発表した。5本指と6本指の設計(手のひら直径16センチメートル)で、いずれも左右対称構造により、両側から把持が可能である。また、このハンドは腕に取り付けたベースから着脱可能で、単独で這い回ることができる。著者らは、このハンドが最大3つの物体を連続して回収し、把持状態を維持したまま再度アームに取り付けられることを実証した。ロボットハンドは、段ボールの筒、ゴムボール、ホワイトボードマーカー、および缶など、さまざまな日常的な物体を確実に保持できる。また、33種類の人間の把持動作を再現し、最大2キログラムの物体を保持することも可能である。
今後の研究では、この技術を用いて、狭い空間での作業やアクセスなど、さらなる応用が探求されるかもしれない。
- Article
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- Published: 20 January 2026
Gao, X., Yao, K., Junge, K. et al. A detachable crawling robotic hand. Nat Commun 17, 428 (2026). https://doi.org/10.1038/s41467-025-67675-8
doi:10.1038/s41467-025-67675-8
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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