遺伝学:100万年前のマンモスのDNAが発見された
Nature
2021年2月18日
マンモスの標本2点から100万年以上前の古代DNAが回収されたことを報告する論文が、Nature に掲載される。これまでに塩基配列が解読された最古のマンモスのDNAの年代は、78万~56万年前のものであった。
古代DNAは、先史時代の生物集団に関する我々の理解を深めてきた。しかし、種分化(新種の形成)などのいくつかの進化過程は、DNA研究の限界を超えていると考えられる時期に起こっていることが多い。それにもかかわらず、理論モデルからは、DNAが必要とされる時間スケールで存続できるかもしれないことが示唆されている。
今回、Love Dalénたちは、シベリア北東部で出土した前期更新世と中期更新世のマンモスの標本3点の臼歯からDNAが回収されたことを報告している。臼歯が採取された堆積層の年代に基づいて、3点中2点の標本(KrestovkaとAdychaと命名された)は100万年以上前のものとされた。ミトコンドリアゲノムデータを用いて得られたDNAに基づいた年代推定では、Krestovkaが約165万年前、Adychaが約134万年前、そして第3の標本(Chukochya)が87万年前のものであることが示唆された。
これらの標本から得られたゲノムデータは、前期更新世のシベリア東部に2系統のマンモスが存在していたことを示唆している。AdychaとChukochyaはケナガマンモス(Mammuthus primigenius)につながる系統だが、Krestovkaマンモスはこれまで知られていなかった系統だった。Dalénたちは、Krestovkaのゲノムが他のマンモスのゲノムから分岐したのは約266万~178万年前であり、Krestovkaは、北米に定着した最初のマンモスの祖先だと推定している。
doi:10.1038/s41586-021-03224-9
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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