Research Press Release
【神経疾患】多発性硬化症の進行に関係する細胞の変化
Nature
2019年7月18日
多発性硬化症(MS)の進行に関連する細胞型特異的な変化について報告する論文が、今週掲載される。今回の研究では、MSの特徴を明らかにする上で役立つ可能性のあるさまざまなバイオマーカーだけでなく、今後、研究者が新しい治療法を開発するために役立つ可能性のある標的が明確に示されている。
MSは脳や脊髄の慢性疾患で、免疫系が体内の正常な神経細胞を誤って攻撃することで発生し、脳病変の発生に至ると考えられている。MSの進行の根底にある正確な細胞型特異的機構は十分に解明されていない。
今回、David Rowitchたちの研究グループは、MSに罹患して死亡した12人の脳から採取した単一細胞における遺伝子発現パターンを調べて、MSに罹患していない者の脳から採取した試料と比較した。その結果、皮質ニューロンと神経系の非神経細胞のさまざまなストレス経路の亢進を示す証拠が見つかった。また、MS患者の組織中には、免疫細胞の一種であるB細胞が大量に見つかり、これらのB細胞が病変段階特異的な細胞を含む凝集体を形成していた。B細胞がMSに関与していることは知られているが、B細胞枯渇療法がMSの神経変性的特徴の治療に有効となり得ることが、今回の研究で得られた知見から示唆されている。
doi:10.1038/s41586-019-1404-z
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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