【神経科学】線虫の神経系内の接続の全容が明らかになった
Nature
2019年7月4日
線虫の一種Caenorhabditis elegansの成虫の両方の性(雄と雌雄同体)の神経系における接続の全容を示すマップが今週発表される。この新知見は、これまでに発表された線虫の神経マップ(コネクトーム)の中で最も完全なものであり、雌雄の神経系を比較することができる。このマップは、線虫の行動を担う神経回路の解読に役立つかもしれない。
線虫は、神経科学研究の重要なモデル生物である。過去の研究論文には、線虫の雄のいろいろな部分に関するコネクトームと雌雄同体の神経系に関する記述があった。
今回、Scott Emmonsたちの研究グループは、一連の電子顕微鏡写真を用いて線虫の雄の頭部の回路をマッピングすることにより、この分野の研究を前進させた。次にEmmonsたちは、これらのマップを以前に発表された顕微鏡写真と組み合わせて、雌雄同体の神経系における接続の再構成を含む線虫全体のコネクトームを生成した。Emmonsたちの方法は、以前の研究で報告されたよりも多くの接続を同定でき、Emmonsたちは、接続の物理的な大きさに基づいて、それぞれの接続の位置とその強度の間接的な尺度を示した。また、Emmonsたちは、接続の最大30%までが両性間に著しい強度差があると考えられるとし、今回の研究におけるコネクトームは、複数の個体の顕微鏡写真から構築されているため、コネクトームというコンセプトの作成ととらえるべき点も指摘している。
同時掲載のDouglas Portman のNews & Views論文では、今回の研究で得られた知見は「脳の機能が脳の構造からどのようにして生じたのかを理解しようとする試みが大きく一歩前進したこと」を示していると述べられている。
doi:10.1038/s41586-019-1352-7
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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