Research Press Release
ワクチンの効果を予測
Nature Immunology
2011年7月11日
ワクチン接種の効果を正確に予測する新しい方法の報告が寄せられている。ワクチンがウイルス感染に対して信じられないほど効果を示す場合があるが、現在では、個々人の免疫応答を予測しても、当たるか当たらぬか不確実である。
効果が認められている2種類のインフルエンザワクチンを用いて、B Pulendranたちは網羅的な遺伝学手法を用いて、健康な成人にワクチン接種後に急速に現れる「分子シグネチャー(指標分子)」を同定した。このような早い時点での遺伝的情報を使えば、その後の数年間にわたるインフルエンザへの免疫応答の効率を、正確に予測できる可能性がある。特に、CAMK4という遺伝子が出現するとワクチンへの反応が乏しいという強い関連性があるという。
これらの遺伝子シグネチャーは重要な免疫制御系を表している可能性があり、ウイルスに対するワクチン接種の効果を予測するのに幅広く役立つかもしれない。
doi:10.1038/ni.2067
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
神経科学:COVIDパンデミックが英国の成人の脳の老化を早めることに関連するNature Communications
-
社会科学:週4日勤務制が労働者のウェルビーイングを向上させるNature Human Behaviour
-
動物の行動:犬のテレビを視聴する習慣は性格によって異なるScientific Reports
-
疫学:欧州における鳥インフルエンザ発生の主な予測因子が特定されるScientific Reports
-
素粒子物理学:CERNで観測されたつかみどころのない物質と反物質の非対称性Nature
-
古生物学:獲物に忍び寄るための古代爬虫類の特殊なヒレNature