肉を食べないペスクタリアンの食事が節水につながる可能性
Nature Sustainability
2018年9月11日
英国、フランス、ドイツにおける食料消費に関連するウォーターフットプリントについて報告する論文が、今週掲載される。現在の食事と推奨される食事の食料消費の社会経済学的要因を考慮すると、ベジタリアンやペスクタリアンの食事によって、社会のウォーターフットプリントを最大で半分に削減できる可能性が、現在報告されている数値から示唆されている。これは、生産に大量の水を必要とする肉が農作物に置き換わるためである。しかし、肉食を抑えた健康的な食事によってもかなり削減される可能性がある。
ウォーターフットプリントの概念は、私たちが消費している食物の生産には大量の水資源が必要であることへの関心を高めるのに極めて重要である。一般的な水消費は重要課題になっているが、私たちが「食べる」水については、同様の厳しさでは調べられていない。しかし、日々の食事は大量の水を消費している可能性があり、その量は文化や地理に応じて変化する。
今回Davy Vanhamたちは、英国、フランス、およびドイツの4万4000の市区町村(最小行政単位)において、消費される食物の生産に使用される水の量を測定している。その結果、それぞれの地域の総ウォーターフットプリントは、肉、油、牛乳、ワイン、果物、魚などの地域差に応じて、健康的な肉食に切り替えた場合には11~35%、ペスクタリアンやベジタリアンの食事に切り替えた場合には33~55%削減される可能性があることが明らかになった。
doi:10.1038/s41893-018-0133-x
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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