Research Press Release
ナミアゲハが産卵に適した宿主植物を見つける過程
Nature Communications
2011年11月16日
ナミアゲハは、産卵に適した宿主植物を探すときにその葉に含まれる化合物を感じ取っているが、その際に用いる受容体が判明した。これにより、ナミアゲハが産卵のために数多くの植物の中から宿主植物を正しく選び出す過程が明らかになった。
ナミアゲハ(Papilio xuthus)は、特定の植物でしか産卵しないことが知られている。ナミアゲハは、この植物を見分けるため、葉の表面を叩いて、葉に含まれる化合物の放出を促している。今回、尾崎克久(おざき・かつひさ)たちは、宿主植物の葉から作られた化合物を人工の葉に含ませて実験を行った。その結果、ナミアゲハが、宿主植物を選び出すために、PxutGr1受容体を用いて宿主植物の葉の化合物に含まれるシネフリンを認識していることがわかった。
doi:10.1038/ncomms1548
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
化石:最も古く知られている「爬虫類」の足跡Nature
-
惑星科学:月内部の非対称性を示す証拠Nature
-
古生物学:「シカゴ」始祖鳥が、この古代鳥に新たな知見をもたらすNature
-
理論物理学:二体問題を解くNature
-
がん:乳がん治療薬の臨床試験で生存率の向上が示されたものの、がんの消失は限定的であったNature Communications
-
Nature Scientist at Work コンペティションの受賞者の発表Nature