【生物学】イヌの心血管疾患リスクは生まれた季節で異なっているかもしれない
Scientific Reports
2018年5月18日
イヌの心血管疾患リスクが誕生月の影響を受けている可能性のあることを明らかにした論文が、今週掲載される。
今回、Mary Regina Bolandたちの研究グループは、253品種にわたる12万9778匹のイヌの心血管データを用いて、心血管疾患の遺伝的素因を持たない品種において、6~8月生まれのイヌの心血管疾患リスクがその他の月生まれのイヌよりも高いことを明らかにした。一方、遺伝的素因を持つ品種のイヌに対しては、生まれた季節は心血管疾患リスクに影響を及ぼさないとされた。
Bolandたちは、生まれた季節と心血管疾患の関係が遺伝的素因を持たない品種において明瞭に見られることから、そうした影響が環境要因によって生じた可能性があると指摘している。その1つと考えられるのが選択育種で、この場合、心血管疾患の遺伝的素因を持つ品種の方が、持たない品種よりも厳重に監視される。また、Bolandたちは、遺伝要因が関係している可能性もあり、そのために心血管疾患の遺伝的素因を持たない品種は、生まれた季節によって、環境的悪影響に対する感受性が強くなる場合があるという考えを示している。
ヒトとイヌは心血管系が似ており、共同生活を通じて同じような環境圧に曝されることから、イヌの心臓はヒトの心臓の生理学的モデルとして有用なことが知られている。従って、今回の研究によって得られた知見は、ヒトの心血管疾患と生まれた季節の関係を解明する上で役立つ可能性があるとBolandたちは考えている。
doi:10.1038/s41598-018-25199-w
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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