シマウマの分類が遺伝的差異に基づいて改められる
Nature Ecology & Evolution
2018年1月23日
アフリカ南部および東部のサバンナに生息しているサバンナシマウマ(Equus quagga)は、頭部の形態と縞模様のパターンに基づいて、6つの亜種に分類されている。しかし、この形態学的分類とは一致しない遺伝的差異をその亜種の間に見いだしたとする論文が、今週掲載される。
シマウマは、生息場所の縮小と狩猟によって脅かされている。現在、保全当局は、亜種の形態学的分類を利用してシマウマ個体群のアセスメントを行っているが、Casper-Emil Pedersenたちは、これを見直して遺伝学的な知見を反映させるべきであると提案している。
研究チームは、サバンナシマウマ59頭、ヤマシマウマ3頭、グレビーシマウマ3頭を対象に、ゲノム規模の解析を行った。彼らは、地理的な場所と遺伝的差異に基づいて、サバンナシマウマには9つの現存個体群を同定したが、現在の形態学的亜種分類と重なるものはわずか2つであった。研究チームのモデリングから、現在の多様なシマウマ個体群の祖先は、アフリカ南部のザンベジ・オカバンゴ湿地帯に生息していたらしいことが示唆された。その解析からは、絶滅したクアッガ(Equus quagga quagga)がサバンナシマウマのもう1つの多様体であり、独立した種ではないことも確認された。
研究チームは、その知見に基づいて、種の存続にはそうした多様なシマウマ個体群の間の遺伝子流動を確保することが重要であり、それはシマウマの生息場所を分断せずにその連続性を維持する保全戦略によって最も効果的に実現されると結論付けている。
doi:10.1038/s41559-017-0453-7
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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