Research Press Release
2008年の中国四川地震における地形の喪失
Nature Geoscience
2011年5月16日
2008年の中国四川地震により引き起こされた地滑りは、断層運動により生成された山脈隆起によって付加されたより以上の物質を取り除いたとの報告が寄せられている。浅部で起きる地震は山脈地帯の成長を進める第一の原動力と考えられるが、この場合には地震が引き金となった地滑りは付加された物質より以上の量を取り除いてしまったようである。
A Densmoreらは、人工衛星画像を用いて地震後に起きた地滑りにより変位した物質の量を評価し、断層運動により生じた隆起よりも2〜7倍大きいことを発見した。彼らは、地滑りによる岩屑のごく一部は浸食されるとしても、地滑りにより総体としてその地域から物質が失われたことになると結論している。
doi:10.1038/ngeo1154
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
古生物学:アンモライト宝石が鮮やかな色を得る仕組みScientific Reports
-
古生物学:小さなティラノサウルスの謎Nature
-
生物学:新しい抗毒素が蛇咬傷から守るNature
-
気候変動:南極の棚氷が海洋温暖化によって脅威にさらされているNature
-
細胞生物学:ホッキョククジラの長寿の謎が解明されるNature
-
惑星科学:圧力下で水の世界が形成されるかもしれないNature
