【健康科学】祖母の喫煙と自閉的特性の関連性
Scientific Reports
2017年4月28日
母方の祖母が妊娠中に喫煙していたことが、孫が自閉症の診断を受けることと関連しているという研究報告が掲載される。論文著者は、この関連性が今後の研究で確認されることの重要性を強調している。
今回、Jean Goldingたちの研究グループは、約14,000人の子どもを誕生時から追跡調査している「エイボン両親と子どもの縦断研究(ALSPAC)」から集めたデータを用いて、(社会的コミュニケーション、発話の首尾一貫性、社交的な気質、反復的行動のそれぞれの試験での成績に基づいて)自閉症と関係があるとされる4つの特性と本人の父方と母方の祖母が妊娠中に喫煙していたこととの関連性の有無を調べた。そのうちの2つの特性(社会的コミュニケーションと反復的行動)に関する試験においては、母方の祖母が妊娠中に喫煙していた場合にその孫に自閉症を示唆する成績が多く見られた。こうした母方の祖母の影響は、男の孫より女の孫に多く見られ、この関連性は、母親が妊娠期に喫煙しなかった場合に顕著だった。
次にGoldingたちは、今回の研究で自閉症と診断されたことが判明した子ども174人を調べて、母方の祖母の妊娠中の喫煙との関連性を発見したが、こうした結果に社会的コミュニケーションと反復的行動の場合のような性別特異性があるかどうかを評価できなかった。
今回の分析結果は、子どもたちの両親が自らの親の喫煙習慣に関して申告した内容の正確さに依存しており、上述した関連性の基盤となる機構を解明するためにさらなる調査が必要になっている点をGoldingたちは指摘している。
doi:10.1038/srep46179
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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