【心理】乳幼児がタッチスクリーン機器を使い込むと睡眠時間が短くなる
Scientific Reports
2017年4月14日
乳幼児の場合にタッチスクリーン機器の日常的使用が増えると総睡眠時間が減るという関連が生じていることを報告する論文が掲載される。ただし、タッチスクリーンを使用することでどのような影響が生じるのか、そして、タッチスクリーンと睡眠の関連性の基盤となる機構は何なのか、という論点を解明するには、さらなる研究が必要となっている。
ここ数年でタッチスクリーン機器を所有する家族が急速に増え、2016年の報告書によれば、英国内の家族用住宅の86%で、主に携帯用メディア機器によるインターネット接続が行われている。しかし、タッチスクリーンの使用が幼児の発達に与える影響可能性は明らかになっていない。
今回、Tim Smithたちの研究グループは、2015年6月から2016年3月までの期間中に生後6~36か月の乳幼児715人の親を対象として、インターネットを使った調査を行った。この調査では、親が自分の子の日中と夜間の平均睡眠時間、入眠までの所要時間、夜間に目を覚ます頻度を申告した。この調査の結果、タッチスクリーンの使用時間が長い乳幼児は、夜間の睡眠時間が減り、日中の睡眠時間が増えて、総睡眠時間が減ったことが判明した。タブレット型パソコンの使用時間が1時間長くなると、総睡眠時間が15.6分短くなっていた。(平均で夜間の睡眠時間が26.4分短くなり、日中の睡眠時間が10.8分長くなった。)また、タッチスクリーンの使用は、乳幼児の入眠所要時間の増加とも関連していたが、夜間に目を覚ました回数との関連性は認められなかった。こうした影響を確認するには、今後の研究で睡眠トラッキングのような客観性の高い計測値が必要とされる。
doi:10.1038/srep46104
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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