Research Press Release
【遺伝】コーヒーの摂取と結びついている遺伝子
Scientific Reports
2016年8月26日
コーヒーの摂取の調節に関わっているとされる遺伝子が同定された。今回の研究では、カフェインの代謝に関連する遺伝子の発現がPDSS2遺伝子によって調節されている可能性が示唆されている。研究の詳細を報告する論文が、今週掲載される。
今回、Nicola Pirastuたちは、イタリアの2つの集団(イタリア南部の小さな村の住民370人の集団とイタリア北東部の6つの村の合計843人の住民からなる集団)の参加者が関係する全ゲノム関連解析を実施し、これらの参加者にコーヒーの摂取量を1日当たりのカップ数で答えさせた。その後、これと同じ実験が、別の独立したオランダのコホート(参加者1731人)について実施された。Pirastuたちの解析により、PDSS2遺伝子の発現とコーヒーの摂取との関連が認められ、両者は逆相関していることが判明した。Pirastuたちは、PDSS2遺伝子がコードするタンパク質の発現量が高いとカフェイン代謝経路に関係する遺伝子の発現が抑制され、カフェインの分解が阻害されるという考えを示している。
今回の研究で得られた知見を確認し、PDSS2遺伝子の発現とコーヒーの摂取を結びつける生物学的機構を解明するには、参加者を増やして研究を続ける必要があることをPirastuたちは指摘している。
doi:10.1038/srep31590
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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