【生態】海鳥の個体数の計数はドローンの方が正確
Scientific Reports
2016年3月17日
熱帯環境と極地環境で巣作りをする鳥類のコロニーの大きさを測定する上で無人航空機(ドローン)による計数が従来の陸上での計数よりも正確であることを報告する論文が、今週掲載される。今回の研究で、ドローンによって高い精度が得られ、到達しづらい場所での個体群の調査ができるようになったため、野生動物の監視プロジェクトが従来の方法からドローン技術に移行すると考えられている。
ドローンは、林冠で営巣する鳥類がうまく繁殖しているかどうかを監視し、ゾウを調査するためにすでに用いられている。しかし、野生生物集団の大きさを監視する場合にドローン技術の精度がどれほど高いのかは明らかになっていない。
今回、Jarrod Hodgsonたちは、3種類の海鳥(グンカンドリ、アジサシ、ペンギン)のコロニーについて、ドローンによって得られた画像に基づく計数とそれと同時に実施された計数員による陸上での計数の精度を比較した。また、計数員は、ドローンの飛行中にこれらのコロニーを監視して、鳥類がドローンの存在に驚いている徴候がないかどうかを監視した。その結果、ドローンを用いた計数は、鳥類を驚かせるものではなく、それによって判明した個体群の大きさは陸上での計数結果とほとんど変わらず、ドローンを用いた計数の方が有意に多い場合もあったことを明らかにした。Hodgsonたちは、下向きに設置されたドローンのカメラが捉えた画像によって地形に隠れて見えない海鳥や計測員の視線をさえぎる海鳥が生じる可能性が減ると考えている。
doi:10.1038/srep22574
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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