Research Press Release
山脈成長がニュージーランドの魚の多様性を引き起こしている
Nature Geoscience
2015年12月15日
ニュージーランド南島で山脈が成長していることがこの地域の異なる淡水魚種の進化に直接影響を与えているとの報告が、今週のオンライン版に掲載される。この研究は、地球の景観と地形の自然の変化が局所的な生物多様性を形成し、増大させる方法について例示している。
テクトニック・プレートが衝突するときに山脈が形成され、新しい山脈の隆起は生物集団を分離させ、結果的に新しい種を形成する。しかしながら、地形の景観の変化と生物多様性との間を関連づける明白な例はほとんどなかった。
Dave Crawたちは、数値モデルを用いて、過去2500万年にわたるニュージーランド南島の地形的進化を再現した。Crawたちは、島の景観は6種の主要なテクトニック地域で発達し、それぞれが際立った排水集水域を持つことを示した。Crawたちは、これらの流域で400種以上の生育地から得られた1000種以上の種に基づいて、新規および既存の淡水魚集団の進化樹を分析し、魚のDNA系列は、時と共に山脈の成長と相前後して分散したことを示している。
doi:10.1038/ngeo2618
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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