【進化】被甲を持つカンブリア紀の蠕虫
Scientific Reports
2015年11月26日
約5億3500万年前のカンブリア紀に生息していた被甲を有する蠕虫に似た動物の化石を発表する論文が、今週掲載される。この新種の動物はEokinorhynchis rarusと命名され、胴体の両側に5対の大きなとげがあり、動吻動物の近縁種である可能性がある。
動吻動物という分類群には、海洋環境に生息する約240種の現生無脊椎動物種が含まれている。動吻動物の胴体は、頭部(1つの口円錐と複数の歯の小円盤を含む)、頚部、そして11個の体節からなる胴部の3つの部分に分かれる。そのため、動吻動物は、体節の起源を調べる研究にとっての手がかりとなる可能性があるが、保存状態の良好な動吻動物の化石がないことがそうした研究の妨げになっていた。
このShuhai Xiaoたちの論文には、中国四川省南江県で発見されたE. rarusの化石をはじめとするカンブリア紀前期の化石数点について記述されている。この論文でXiaoたちは、E. rarusが現生動吻動物といくつかの点で類似しており、進化的類縁関係が示唆されていることを明らかにした。例えば、E. rarusと現生動吻動物の胴部は、いくつかの中空の棘を有し、複数の体節に分かれており、それぞれの体節には関節でつながったプレートが複数含まれている。一方、E. rarusの棘は現生動吻動物の棘より大きく、はっきりとしている。以上の解析の結果、Xiaoたちは、E. rarusが現生動吻動物の祖先であった可能性があるという考えを示している。
doi:10.1038/srep16521
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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