注目の論文
火星の回転する表層殻
Nature Geoscience
2008年12月15日
A rotating surface shell on Mars
火星のタルシス地域における火山活動の移動は、惑星の最外層の剛体殻が内側の層と相対的に回転したことにより生じたらしい、とNature Geoscience(電子版)の研究が示している。この殻が大規模に水平に動いた可能性(単一のテクトニック・プレートと類似したふるまいをする)は、これまで立証されたことはなかった。
S Zhongは三次元数値モデルを用いて、火星が冷えていくことに応答して、火星内部がゆっくりと攪拌する様子をシミュレーションした。その結果は、惑星内部から上昇する高温のプリュームがタルシス地域の最も初期の火山活動をもたらし、同時に最外層の回転の引き金になったことを示唆している。殻が停止しているプリュームに対して南向きに動くにつれて(ろうそくの上の段ボール紙のように)、火山活動の位置を動かしたのである。
この運動は、地球でプリュームの上を動くテクトニック・プレートの動き(ハワイ・ホットスポットなどのように)と似ているが、火星の場合は、惑星内部と相対的に全体として動く単一のプレートのみからできている。
doi: 10.1038/ngeo392
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